私の心も私でない。ヨガ哲学の説く「本当の自分」とは?ヨガで自分と向き合う

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「自分」とは何かを考えたことがありますか?


ヨガとは、本当の自分を知るためのメソッドでもあります。
哲学は難しいと思ってしまうかもしれませんが、自分自身を知ることで、自分自身がコントロールしやすくなって、生きることがとても楽になります。

日常生活では外の世界に意識が向きがちですが、ヨガは自分と向き合う時間です。
ヨガの哲学は生活に活かせる哲学なので、興味を持っていただけると嬉しいです。

もっと自分に向き合って、「私」とは?を考えてみましょう

さて、「私」とは何を指しているのでしょうか?

社会的な立場で、先生、お母さん、娘、先輩、後輩などと呼ばれることがありますね。
あなたの子供にとってあなたは「お母さん」でしかありません。
しかし、それは、あなたと子供の関係性で生じた立場であり、あなた自身ではありませんね。

あなたの名前はどうでしょうか?
仕事上の関係だと、「ナガイさん」と苗字で呼ばれることがありますが、苗字は生まれた家を説明しているだけです。
身近な人には「ユカ」とファーストネームで呼ばれますが、「ユカ」という名前は両親が与えてくれたもので、両親との関係によって作られたものです。名前も関係性より変わるもので、自分自身の本質ではありません。

私の身体はどうでしょうか?
身体を自分自身だと思うことは多々あります。しかし、自分の身体は自分でコントロールが出来ないものです。
速く走りたいと思っても願った通り動かないことは多々あります。仕事をしたい、出かけたいと思っても、片頭痛が起きたり、お腹の調子が悪かったりと、身体が邪魔をすることもあります。
時に、交通事故などで身体の一部を失うことがあります。身体が自分自身だとすると、仕方なく切断した脚は、まだあなた自身なのでしょうか?身体の一部分を失ってしまった人は、不完全な人なのでしょうか?
違いますね。たとえ身体に不備があっても、あなた自身の存在は変わりません。

最も「自分自身」だと勘違いしやすいのが「心」です。
「私とはだれか?」と考えているのも心なので、その「心」(または思考)が自分自身と考える方は多いでしょう。
しかし、ヨガの哲学では、「心」さえも自分自身の言うことを聞かない物質なのです。
心は最もコントロールが難しいです。朝起き上がらなくてはいけないのに、ベッドから起き上がれないもの「怠慢さ」が邪魔をしてしまうから。本当は愛しいと思っている家族に、冷たい態度を取ってしまうのも上手く心をコントロール出来ないからです。


自分の言うことを聞かずに、自分の邪魔さえする存在。それは本当に自分自身なのでしょうか?
「心」は終始変化し、朝決心した目標を午後には簡単に諦めたり、好きだったものが一年後には嫌いになっていることもあります。周りの環境によっても変わってしまいます。
「心」はコントロールも出来ず、常に変化しているものです。

ヨガの考え方では、自分自身は変化せずに、自分の中心に常に存在するものです。
本当の自分は物質世界に惑わされず、常に純粋で美しい存在。
その自分自身に気が付くことがヨガの道です。

ヨガで出会うことが出来る「自分」とは

では、本当の自分自身とは何でしょうか。
私たちが自分自身だと思っている身体や心よりも深くに存在していると言われています。
日本語では「魂」という言葉が一番近いです。


私たちの肉体(思考を含む)は、真の自分の今世での住まいです。
お寺に神様が滞在するように、真の自分も身体に一時滞在し、肉体的な寿命が来ると離れます。

インド思想では、真の自分の事をプルシャ(真我)と呼びます。
身体や思考がどれだけ忙しく働いていても、プルシャ(真我)はいつも内側に存在し、静けさと純粋さを保っています。

プルシャ(真我)に出会うことで出会える平穏さ

どうしてヨガの修業、特に瞑想によって私たちは自分自身を感じる練習をするのでしょうか。
私たちは、「自分」というものに対しての執着心がとても強いです。
だからこそ、自分自身が思ったようにいかない時には、ものすごく落胆したり、苦しみを覚えます。

思考が苦しみに支配されないためには、自分自身を客観的に観察する能力がとても役に立ちます。

自分自身を、他人を見る時と同じように客観的に観察すると、感情的になっている時でさえ、冷静さを失いません。

私たちの人生では、物理的に悲しいことや、苦しいことは必ず起こります。
しかし、自分自身の「心」をコントロールする能力を身に着けると、物質的な悲しみに支配さえなくなります。

自分自身の内側にある静けさ、純粋な美しさに出会うこと。
外的な要因に心を奪われないことを教えてくれるのがヨガ哲学です。


Hari Om..

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