【ヨガ・スートラ】1章33・周りの人に対する友情、同情、喜び、無関心の感情で心の穏やかさを養う

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ヨガは自分自身に向き合う鍛錬です。

ヨガ・スートラでも大部分は自分の内側への探究の方法が書かれています。

しかし、ヨガ・スートラ1章の33節では、他の人に対しての感情について書かれています。とてもシンプルな一節なのですが、長い間スッキリしなかった部分だったので、こちらもグルジに聞いてみました。

こちらは前回と同じく、グルジから聞いたお話です。

他人に対して友情、同情、喜び、無関心の感情を抱くこと

他人の幸せ、不幸、善行、悪行に対して抱く、友情、同情、喜び、無関心の感情は心の寂静を生む。

ヨガ・スートラ1章33節

書かれている内容はそれほど特別な内容ではないのですが、

この1節だけが他人に対する態度に関して書かれているので、どうしてこれがヨガの実践の一部分なのだろう?と不思議に思っていました。

一つづつの感情を見てみましょう。

「他人の幸せ、不幸、善行、悪行に対して抱く、友情、同情、喜び、無関心の感情」とは?

他人の幸せに対する友情とは

自分の周り人に幸せが訪れた時に、素直に一緒に喜んであげられますか?

自分自身が満たされて幸せな状態でいる時には、周りの人の幸せを一緒に喜んであげることができます。

しかし、自分自身が満たされていない時には、嫉妬や妬みといった感情が生まれてしまいます。

例)自分に兄弟・姉妹がいる方の多くは、「お姉さんの方が両親に期待されている」、「自分はいつもお下がりばかり」、「あ母さんは弟にばかり甘やかしている」と、兄弟間でジェラシーを焼いてしまう。

子供の頃には自然に誰もが感じている感情なのですが、それらを自立した大人になっても抱いていると心がツラいまま。解放してあげたい感情です。

特に近い家族などの関係だと、お互いを比較しやすく、競争してしまいがちです。

たとえ近い関係の人であっても、プライベートでの関わりの浅い人であっても、テレビで見ただけの他人であっても、他人の幸せを素直に喜ばしいこととして感じることが出来ると、心が安定して穏やかな状態になります。

嫉妬や執着などの、心の穏やかさを乱す感情に意識を向けるべきではありません。

他人の不幸に対する同情とは

心の状態が純粋な状態であると、不幸な状態の人に対する同情、慈悲の感情が起こります。

自分にとって大切な人や、小さな子供、動物などが苦しんでいる時には慈悲の感情が起こりやすいですが、自分にとって好ましくない人の不幸に対してはいかがでしょうか。

普段敵だと思っている相手、または、仕事上などで迷惑をかけられていると感じている相手が不幸にあった時に逆に喜んでしまうことはありませんか?

著名人のゴシップなどを喜んで見ることも、これに近いです。

他人の不幸を喜ぶような感情は、私たちにとって不純な性質のもので、心の純粋さの妨げになります。

善行に対する喜びとは

誰かが良い行いをしたら、本来喜ぶべきことです。

しかし、嫉妬などの不純性の感情が働くことがあります。

例)私はムンバイでもっとも有名な先生と一緒に音楽を学んでいる。先生(哲学の)も音楽は好きなのに、リシケシを離れることは出来ないし、著名な音楽家に出会うチャンスがない。本来は知人が頑張っていることを喜ぶべきなのに、喜べない。(あくまで仮です)

このような感情が生まれてしまいます。

ライバルなどが頑張った結果成果を上げている時に、相手よりも努力が出来なかった自分と比べて、自分の出来なかった言い訳を考えたり、相手の環境を妬んだりしてしまうかもしれません。

人の良い行いを認め合うことで、自分自身の中の不純性が消えます。

悪行に対する無関心とは

誰かが良くない行いをした時には、無関心でいることが自身の純粋さを守ります。つまり、不要に関わらないことです。

テレビなどで悪いことをした人がいると、そのニュースの噂ばかりをしたり、ネットで批判をする人もいるかもしれません。

他人の悪行に対して批判をしていると、平穏な心の状態の妨げとなってしまいます。

しかし、良くない行動を無理やり肯定してもいけませんね。

他人が行う悪行に関しては、そこに意識を集中せずに無関心でいる事が得策です。

他人の悪い部分に意識を向けず、自分自身を向上することに意識を向け続けましょう。

ヨガ・スートラ1章33節を守ることで、日常生活の中のヨガへの障害が除かれます

私たちが心を平穏な状態に保てないのは、上に書かれている好ましい心の状態が保てないからです。心を動揺させる原因は、自分の外側で起こっている事柄ではなくて、それに対する自分の心の反応です。

苦しみや不安定な心の原因は自分自身の中にあることを知りましょう。

それによって、心は純粋さを取り戻して、安定した状態を保てます。

コメント

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