ヨガのクラスでは必ず呼吸に意識を向けるように促しますよね。
アーサナ(ポーズ)を行うことと、呼吸にどのような関係があるのでしょうか?
同じアーサナを練習していても、呼吸に意識があるかどうかで効果が全く違います。呼吸を上手く取り入れることで、アーサナの練習もより有意義なものにしましょう。
心・身体・呼吸は繋がっています
アーサナは身体を動かす実践ですが、効果は身体だけではありません。心・身体・呼吸は常に連動しているため、アーサナを行っている間も心や呼吸の状態を常に観察していなければいけません。
例えば、以下の状態は同時に起こっていることが多いです。
・身体に無理なアーサナをしている
・呼吸が乱れている、または呼吸していない
・このポーズをなんとかやりたいと執着している
呼吸が安定しているときには、ポーズが安定しています。
また、心の状態も安定しています。
心や体をコントロールすることはとても難しいですが、呼吸から変えることで、心や体もコントロールすることは可能です。
例えば、野球の選手などが、バッターボックスに立つ前に深呼吸をすることがあると思いますが、どうしてでしょうか?人は緊張状態になると、無意識に浅い呼吸になっています。「深い呼吸をすること=心を落ち着けて冷静さを取り戻すこと」だと、無意識に知っているからでしょう。
ポーズへの執着を弱めるのにも有効です
アーサナの練習において最も大きな障害の一つはアーサナへの執着です。
「このポーズが出来るようになりたい」「綺麗なポーズが出来るようになりたい」「前に出来たポーズが出来なくなるのは嫌だ」といった、アーサナの完成への執着は、身体の声を無視したアライメントの原因となり、怪我の原因になります。
練習中に、深く呼吸を続けることで、外的な完成形よりも内側の感覚を意識できるようにななります。周りの人のことを意識していると、無意識に呼吸がないがしろになっていますし、無理なポーズをやろうとすると呼吸が止まってしまっていたりします。
呼吸がちゃんと出来ているかを自身でチェックするクセを付ければ、一瞬心が外に向いてしまっても、その都度自分で心を戻すことが出来るようになります。
呼吸でアーサナを確認する
どこまで頑張って良いのか、どこまでが無理をしていることになるのかの判断は難しいですね。
頑張りたい時には呼吸を観察しながら行うと良いです。
深く呼吸を続けながらポーズが出来れば大丈夫、もしも呼吸が止まってしまっているようならば無理をしているのかもしれません。
ボディービルダーなどが筋肉を大きくしたい時には、呼吸を止めて踏ん張ります。すると、固くなったゴムに圧をかけた時のように、筋繊維が切れます。筋肉を大きくするためには、一旦筋繊維を切って回復させないといけないので、筋肉を大きくするためには正しい方法ですが、ヨガにとっては正しくありません。
ヨガのアーサナでは、魂にとってのお寺である身体はなるべく傷つけない方が良いです。
ちゃんと呼吸を行えている状態は、筋肉が緊張し過ぎていない状態。呼吸が出来ているかで、身体を観察すると、どこまで頑張れるかの判断基準になります。
ちゃんと呼吸を行えている状態は、筋肉が緊張し過ぎていない状態。呼吸が出来ているかで、身体を観察すると、どこまで頑張れるかの判断基準になります。
吸う呼吸と吐く呼吸を意識する
吸う呼吸と吐く呼吸で身体の状態は違います。
呼吸と動きを上手く合わせることで、より効率的にポーズを行うことが出来ます。
吸う呼吸:身体が広がって余裕ができる
息を吸うと、身体の内側た大きく広がって、体内に余裕ができます。
広がりのある動きは吸う息と合わせることで気持ちよく行えます。
上昇する動き、腕を上げる動作なども吸う呼吸で行います。
アーサナを行っている間は、吸う息では背骨を伸ばしたり、体内に余裕を作ることに意識を向け、ポーズを深める動作は吐く呼吸で行いましょう。
吐く呼吸:深める時、力を入れる時に
ポーズを深める時、力を入れるとこには吐く呼吸で効果を上げることができます。
大地に根を張るように、下向きの動き、力強さが必要な動作に適切。
吸う呼吸で体内にスペースを作ったあと、捻りやストレッチを深めるのは吐く呼吸で行いましょう。
呼吸を上手く使って、アーサナの効果を高めましょう
同じアーサナを行っていても、呼吸を上手く使えていると効果が何倍にも変わります。
上手く呼吸をコントロールして、気持ちよくアーサナを行いましょう。
アーサナの練習中に呼吸を意識することを覚えると、日常生活でも活かせるようになります。心・身体・呼吸の関係は、生きていく中で常に意識しておくべきでしょう。
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