ヨガジェネの読者さんから、宗教とヨガについて質問があったので書いてみたいと思います。
ヨガスタジオに言っても、ガネーシャ神やシバ神の置物があったりして、ヨガは偶像崇拝をするの?と思った方もいるかもしれません。
ヨガを深めたいけど、宗教はどうなのだろう?と言う方に向けて書きたいと思います。
結論から言うと、神様を信仰する必要はありません(但し流派により)
ヨガでも様々な流派があるので、アメリカから入ってきたエクササイズ要素の強いヨガでは全く宗教的な要素がないものが多いと思います。
しかし、古典的なヨガに興味があったり、ヨガの教典と呼ばれる文献を読むと非常に神様について深く書かれています。
古典ヨガの教典と呼ばれる「ヨガ・スートラ」のヨガでは、全ての答えは自分自身の内側にあり、自身の鍛錬によってのみヨガの成功が訪れるとされています。偶像崇拝を行わなくても、自分自身の努力で自分を変えることが出来るメソッドがヨガだと思っています。
しかし、ヨガにも様々な流派があり、先生によっても考え方が違います。
インドの先生から学ぶ場合は、先生が生まれつきヒンドゥー教徒であるため、当然のように神様の話しをされる場合もあるでしょう。
ヨガの練習を含めるために宗教的行事を行う必要はないと思いますが、先生が信仰している場合には、自身は信仰しないとしても尊重することは大切かと思います。
もしも、生徒に対しても同じように神様を信じることを求める先生であるのならば…その先生から学び続けるのか、宗教が関係するならば難しいのか、自分自身でしっかりと考える必要があると思います。
ヨガの教典ごとの宗教観と神様をまとめてみました
ヨガの流派で分けると、先生によっても解釈が違うので、参考にしている文献などによって宗教観が分かるかな?と思ってまとめてみました。
ヨガ・スートラ:イシュワラは自分の内側の魂
ヨガ・スートラの理論はサーンキャ哲学を元にしていますが、サーンキャ哲学は神様の存在を認めていない哲学です。
ヨガ・スートラとサーンキャ哲学が違うのは、ヨガ・スートラではイシュワラと呼ばれる神が登場することです。しかし、イシュワラはプルシャの中で1度もプラクリティ(物質原理)の影響を受けていない最も純粋なプルシャであり、私たちの本質であるプルシャと同等の存在と考えることが出来ます。
プルシャは霊魂のような存在であり、偶像でもなければ、私たちを救う超人的なパワーも持っていません。
ヨガ・スートラのヨガは、最も宗教から遠い教えだと思います。
バガヴァッド・ギータ:クリシュナ神への信愛
「バクティ・ヨガ(神への信愛のヨガ)」として知られるバガヴァッド・ギータ。
インドではヨガの教典というよりは、ヒンドゥー教の最もポピュラーな教典として知られています。
バガヴァッド・ギータをじっくりと読むと、偶像崇拝をしなくても私たちの生活やヨガの実践に役に立つ教えが非常に多く存在します。
しかし、本来宗教的な文献であるため、その部分を避けて読むことは難しいでしょう。
インド人のヨガの先生の大半はヒンドゥー教徒ですので、当然宗教的な側面も含めて教えてくれることが多いと思います。
ヒンドゥー教徒でない私たちは、全体的に信じるのか、一部分だけ参照するのかは、個人で選ぶ必要があると思います。
ハタヨガ・プラディーピカ:シヴァ神が与えてくれたヨガ
現在主流になっている身体を使った練習がメインになっているヨガをハタヨガと呼びます。
その中で最も有名なのがハタヨガ・プラディーピカと呼ばれる経典です。
ヨガ・スートラの教えを元にした流派なので、偶像崇拝と関係がなさそうに思われますが、実際に文献を読み進めるとインドの神様の名前が沢山出てきます。
ハタヨガの多くの宗派はシバ派に属し、シバ神への信仰が強いです。
日本でハタヨガを教えている先生の大半は、強くシバ神信仰を指導することはないと思います。そのため、ハタヨガを練習する場合、アーサナなどのクラスでは宗教はほとんど関係がありません。
しかし、より理論を深めようと思って経典を読むと、インドの神様や超能力的な表現が多く書かれています。
宗教とヨガは別物。神様を信じるかは、自分自身で選んで大丈夫
日本は宗教にたいしてとても自由な国です。
自由と言うことは、自分自身で選ぶ義務が同時にあると思います。
ヨガはインドの神様を全く信じなくても実践できるメソッドですが、インドのヨガは歴史的にヒンドゥー教と深く関わってきたことも事実です。
ヨガスタジオでインドの神様が飾ってあったり、マントラ(お経)と唱えることがあると、宗教慣れしていない私たちはどうしていいのか分からなくて困惑してしまうこともあるかもしれませんが、信じる、信じないは個人の自由です。
ガネーシャ神が可愛ければ、宗教は信仰しなくてもガネーシャ神の置物を置いても問題ありません。それくらいヒンドゥー教の神様は寛大です。
***ヨガ哲学の電子書籍出版しました***
コメント
[…] […]