インドだけでなく、多くの国で愛されているガネーシャ神。
タイでは仏教寺院にガネーシャがいたり、ヒンドゥー教の人でなくてもマスコットのように愛くるしい姿にファンが多いですよね。
私の住んでいるマハラシュトラ州(ムンバイやプネ)では最も信仰されている神様です。昔からとてもご縁を感じて、実家にもかなりの数のガネーシャ像を飾ってあります。
勉学、財、開運など多方面でのご利益が信じられているガネーシャ神ですが、実は、その姿は私たちのあるべき姿としての教訓を与えてくれています。
今回はガネーシャ・シンボルについてご紹介します。
姿がシンプル!ガネーシャ神の姿が教えてくれること
ガネーシャの大きな頭は「永遠の魂」と「尊大な知恵」を表しています。
ガネーシャの小さな目は「集中力」を表しています。
ガネーシャの大きな耳は「良く聞けること」を表しています。
ガナパティの小さな口は「しゃべり過ぎないこと」を表しています。
ガネーシャの牙は「悪し物を捨てて善良であること」を教えてくれる。
ガネーシャの胴体は「高い能力と順応性」を表している。
ガネーシャの大きなお腹は「生きていく中で起こる良いことも悪いことも受け入れること」を表している。
ガネーシャが手に持つ斧は「すべての執着を断ち切ること」を可能にする。
ガネーシャの持つ縄は「目標へと手繰り寄せてくれる」
ガネーシャが手にするモーダカ(お菓子)は「訓練の先に得るもの」を指示しています。
ありがたきガネーシャの右手は我々を至極の道へと導いてくださっています。
ガネーシャの足元のネズミが我々に指示し教えてくれていること。「願わくば、あなたが願望とゆう大災害に乗ってしまわないように。決して願望に乗ってしまわないで制御することを願う。」
そして、プラーサナ(清らかさ)を感じれるガネーシャの姿は「全て世界はあなたの足元に。あなたの問いの中にある。」ことを教えてくれる。
ガネーシャ・シンボル、各部分の説明
それぞれの部分について、もう少し詳しく説明しますね。
頭: 「永遠の魂」と「尊大な知恵」
大きな頭を持っているということは、その中につまった知恵の大きさを表しています。また、「知恵あるもの」=「アートマン」は永遠と滅びない魂でもあります。
小さな目:「集中力」
ヨガを含めたインド思想では、全ての答えは自分自身の内側に存在していると考えられています。目が小さい、つまり外の世界に惑わされないことは、誘惑に負けないで集中できることに繋がります。
大きな耳: 「永遠の魂」と「尊大な知恵」
他人との関係性において、ついつい自分自身のことばかり話してしまうのが人の常です。自分自身が正しいと決めつけず、しっかりと相手の意見を聞く耳を持つことはとても大切です。
小さな口:「しゃべり過ぎないこと」
自分自身のことばかり話してしまうことも控えるべきですが、そもそも議論に興じすぎることもヨガでは良くないと考えられています。
牙(キバ):「悪し物を捨てて善良であること」
悪を破壊するもの。
胴体:「高い能力と順応性」
立派な胴体は、高い能力を保持していることを表しています。
大きなお腹:「生きていく中で起こる良いことも悪いことも受け入れること」
一般的に大きなお腹は財の象徴と見らることが多いですが、与えられたもの全てを受け入れることが出来る器の大きさを表すとも考えられます。
自身に起きる全てを受け入れるというのは、バガヴァッド・ギータの教えにもつながります。
手に持つ斧:「すべての執着を断ち切ること」
インド哲学では、執着によって苦しみが生まれると考えられています。
近年、断捨離も流行っていますが、私たちが幸せを手に入れるためには、自分にとって不要なものとの縁を切ることもとても大切です。
ガネーシャの持つ縄:「目標へと手繰り寄せてくれる」
自分自身で決心した目標をヨガではサンカルパと呼びます。
ガネーシャには、目標の達成を手繰り寄せる力もあると考えられています。
モーダカ(お菓子):「訓練の先に得るもの」
モーダカはガネーシャ神が最も好きなスイーツです。
自身の良い行いによって、与えられるものを表しています。
可愛いだけでないガネーシャ神
可愛い!ご利益がある。
という理由でガネーシャ神の置物などを手にすることも多いかもしれませんが、
ガネーシャ神の姿は、私たちに多くの教訓を教えてくれていることを知ると、今まで以上にガネーシャのことが好きになるかもしれません。
ガネーシャは懐の大きな神様で、ヒンドゥー教を信仰していない人でも助けてくれます。
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