多くの人が抱える日常生活の中の最も大きな悩みは人間関係ではないでしょうか。
人と争いたくないと思うけれど、なぜか上手くいかない人間関係。
家族、恋人、職場の人間関係に対して、ヨガの哲学からヒントを探してみます。
人間関係の悩みの多くは執着から起こる
以前ヨガマガさんの記事で書いたのですが、私たちが人を愛する時、相手への執着により愛が苦しみに変わってしまうことがあります。
感覚の対象に対して深く思う時、それらに対する執着が生まれる。執着によって欲求が生まれ、欲求は怒りを生む。
バガヴァッド・ギータ２章６２節
怒りは妄想を生み、妄想は記憶を惑わす。記憶の混乱により知性が失われ、知性の損失により人は滅びる。
バガヴァッド・ギータ２章６３節
この文章は人間関係に特化して書かれた文章ではないのですが、
人との付き合い方を考えるうえでとても役にたちます。
他人に対しての執着はとても大きな苦しみを生むと考えられています。
ギータの中の文章にあるように、誰かに対しての執着が生まれることにによって、その人への欲求が生まれます。
・私が相手を愛するのと同じだけ、相手にも私のことを愛して欲しい
・子供のためを思って塾に行かせているのだから、ちゃんと勉強して欲しい
・私が彼女なのだから、友達と遊ぶのより優先して欲しい
・私の誕生日には残業しないで帰ってきて欲しい
・旦那の誕生日のためにサプライズを用意したから、早く帰ってきて欲しい
・忙しいのに早起きして作ったお弁当、感謝して残さず食べて欲しい
日常生活で起こる普通の感情ですが、愛情から生まれた欲求が叶わないと、それを原因に争いや悲しみとなってしまっては本末転倒です。
快楽を求めるような感情をラーガ（貪愛）と呼びます。
人に対して愛を注ぐとき、対価を求める愛は執着を生みます。
相手に愛されたい、感謝されたい、尽くされたいなどの見返りを求めない愛し方が理想です。
難しいのですが、自分自身がどれだけ満たされているかによって実現するので、ヨガなどで自分自身に意識を向けることも有効です。
ヨガ的な愛で人間関係の問題は弱まる
執着のない愛とはどのようなものでしょうか？
私の先生は、ヨガ的な平等の愛について話すとき、マザーテレサにを例に出して話してくれました。
通常、誰でも自分に近い人に対して特別な愛情を抱きます。
しかし、神のように愛を注げる人は、誰に対しても等しく愛することが出来ると言います。
普通は、他人の子供よりも、自分の子供が可愛いでしょう。
また、道で貧困層の人に会っても、高齢のおじさんより子供にパンを与えたくなります。
親切は、自分にとって好ましい人に対して与えたいと思ってしまいますよね。
しかし、個人的な感情ではなく、誰に対しても、助けが必要な人に手を差し伸べるのが慈悲の心です。
平等に慈愛を注ぐことはとても難しいです。
私の先生は、とても貧しくてパンが一つしかなかった時に、他の子どもが周りにいても、自分の子供に与えてしまうだろう、と言っていました。
そこまでの人格者にはなれなくても、自分自身が平等でないことを知り、出来る限り誰に対しても偏見を持った対応をしないように努力をしていると言っていました。
つくづくヨガは、人生をかけた学びだな、と思います。
【ヨガ・スートラ】心の安定を生む、人への接し方。自分と他人への平等。
先日書いた通り、他人に対しての友情、同情、喜び、無関心の感情は、自分自身の心から不純な性質を取り除いてくれます。
他人の幸せに対して喜び、他人の不幸に対して悲しむような感情は、自分自身と相手を平等に見ている状態とも考えられます。
ヨガはあらゆる意味で「平等の境地」です。誰に対して起きたことでも、幸せに対しては喜び、不幸には悲しむシンプルな感情の反応は、とても純粋な状態に近いです。
嫉妬や妬みなどの感情は自分自身を不安定な状態へと導いてしまいます。
また、先にあげた執着や貪愛も苦しみの原因となります。
人間関係は自分一人で解決できるものではないので、誰にとっても簡単ではない事柄ですが、自分自身の心の状態を整えることで悩みがとても軽くなります。
コメント
こんにちわ！！ランキングからやってきました。
記事を興味深く拝見させていただきました。ネット初心者でまだまだですが楽しみながらやっています。実際行動あるのみでぼちぼちですが前に進んでます。
ヨガって身体だけでなく、人間関係にも影響するのですね～ｵｫ!!(ﾉﾟ□ﾟ)ﾉ
コメントありがとうございます。
色々と繋がっていて面白いですね。