【ムンバイ日記】IIT大学でラケーシュ・チョウラシアのインド古典公演でした

india life

ムンバイ・インド音楽生活の日記です。

IIT(インド工科大学)ムンバイ校で、ラケシュバイヤ―こと、Shri Rakech Chaurasiaの古典音楽コンサートがありました。

昨年も行ったIITでのコンサートは2度目でした。

インドで最も有名なIIT大学はグーグルのCEOなど、世界を代表するIT業界のエリートを多く輩出している大学です。

優秀な生徒は、新卒で年収4000万円になることもあるらしい...。

未来のエリートを見つけれたら嬉しいな!という淡い期待も込めて行ってきました。

サウンドチェックの時間の幸せ

コンサートは6時半からと聞いていたので、てっきりサウンドチェックは5時半からだと勘違いしていたのですが、5時に到着した時にはとっくにアーティストが揃っていました。

4時半からだったそうです。

タブラはバイヤーの伴奏を多く勤めていらっしゃるSatyajit Talwalkarさん。

グルジ(Pt.Hariprasad Chaurasia)やバイヤー(Rakesh Chaurasia)の公演で本当に沢山の超一流タブラ奏者の方にお会いしてきましたが、

サッティアジ(私が勝手に呼んでいる愛称)は演奏も人間性も、本当に大好きなタブラ奏者の一人です。

さすがにサウンドチェックの最中には、チラッと笑いかけてくれただけでしたが、普段から一介の生徒でしかない私にも本当に親切にいて頂いています。

本当に愛に溢れた人柄で、サッティアジのことを思い出しただけで、口角が緩んで笑顔になってしまいます。(私もそんな人になりたい)

IITのコンベンションセンターはとても大きな会議場です。

自然あふれる広大な敷地のキャンパスの中に、こんな美しいホールがあって羨ましい。

こんな場所で、最高のアーティストが揃って、サウンドチェックのための演奏をしている中、観客は私一人!(実際はスタッフがいます)

大好きな大好きなバイヤーの演奏を貸し切りで聞けて幸せ!

と、天国にいるような気分になれるサウンドチェックはムンバイで生徒業が辞められない理由の一つかもしれません。

まだ私にはプロレベルのサウンドの判断が出来なくて、サウンドチェックの時に音のバランスを聞かれても的確に答えられないのですが、早く良い音を覚えたいです。

控室での、先生としての立ち振る舞い

幸運なことに、生徒として、超一流の音楽家の集まる控室に出入りする機会がとても多いのですが、バイヤーは多分世界一生徒に優しい一流アーティストな気がします。

多くのアーティストの楽屋では、廊下に立っている生徒を見かけるのですが、バイヤーの楽屋は生徒が来賓のように座っています。

今回はムンバイでのコンサートだったため、開演前には沢山の生徒が到着しました。(たぶん10人以上)

生徒たちがたくさん来ることをあらかじめ伝えてあったようで、楽屋には山盛りのスナック。

グルクルからの生徒たちが、かなりギリギリに到着したので、私が大急ぎで誘導してスナックを配り歩きました。到着するまで、ずっと気にかけていて、私に何度も確認させて、注意点を伝えて、演奏前のアーティストには見えません。

楽屋を訪れる来賓、生徒、共演者、人の世話焼いてて自分のチャイを貰い忘れた私の世話まで、本当に周りの人全員に気を配い続けています。

バイヤーの生徒に対する優しさはグルジから引き継いだものでもありますが、彼の並々ならぬ気遣いには常に感動させられます。

舞台の上でのケミストリー

インド古典音楽は、基本的に全てが即興で行われます。

ラーガと呼ばれるルールの中で創作されますが、そのルールの中には無限の可能が存在します。

今回は、バンスリ:ラケーシュ・チャウラシア、タブラ:サッティアジート、パカワジ:クリシュナの三人での演奏でした。

若いパカワジ奏者のクリシュナさんは、2人にとって初共演でした。

トップアーティストの共演にガチガチに緊張していて、楽屋にも入れず廊下でオドオドしていました。(ちょっと可哀想でも、あまりしつこく誘っても逆に悪いので…)

サウンドチェックで軽く合わせましたが、本番では全く違う曲を演奏しました。(だいぶ可哀想で、母親のような気分で見てしまいました…)

が、何の問題もなく、パカワジの見せ場でもちゃんと演奏しきりました!

私よりはずっと格上の演奏家ですが、年齢的にどうしてもお母さんのような気持でハラハラドキドキ。

タブラのサッティアジは、パカワジのクリシュナさんが演奏している間、ずっと手拍子でタイミングを計ってあげていました。

あまりに自然で、たぶん観客は気が付いていませんでしたが、サッティアジの優しさに胸がキュンキュンします。

ラケーシュバイヤーも、さりげなくアイコンタクトで合図していたり。

そんな人間ドラマが見れるのも、会場でインド古典音楽を見る大きなメリットです。

Rakesh Chaurasia's Experience at the Yaksha Music Festival, Isha Yoga Center
サッティアジートジとIshaで演奏した時のビデオ

大学などで行われる古典コンサート

IIT(インド工科大学)に来たのは2度目でしたが、他の大学でも沢山の古典音楽コンサートが行われています。

特にIT業界や経済に特化した教育が盛んなインドで、人間性が豊かになるようなコンサートが行われていることは本当に素晴らしいと思います。

インドのITに関しては「せかいじゅうライフ」さんでも記事にまとめたことがあります。

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ますます経済の発展が進むインドでも、伝統が受け継がれて、新しい芸術が生まれ続ける歴史を見られるのは本当に幸せです。

コメント

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