【インド音楽】ベルギーのツアーが終わりました

indian music

1週間のインド音楽ツアーがそろそろ終わりに近づいています。

グルジ抜きで来なくてはいけないとなった時にはどうしようかと思いましたが、以前から何度もグルジの公演で一緒に旅行をしている兄弟子ビベック・ソナーとの旅はとても気が楽でした。

広大な自然の中にある寺院ラダデーシュ

私にとっては3年ぶりのベルギーでしたが、今回の旅の拠点はSomme Petiという田舎にあるラダデーシュと呼ばれるヒンドゥー教寺院でした。

ヒンドゥー教寺院と聞いて、当然見慣れたインドの光景を想像していましたが、そこは中世ヨーロッパのお城を改装した美しい寺院でした。

こんな美しい場所がヒンドゥー教寺院だなんて信じられない。

食事もインド料理に見えますが、スパイスをほとんど使わない優しくてフレッシュなお味。

(途中から兄弟子の唐辛子探しが大変でしたが。)

主食は毎日お米。スパイスを使わないサブジ(野菜カレー)は、インド料理ではなくて南米の煮込み料理や西洋料理に近いお味でした。

私は毎日幸せ。

毎日インド料理を覚悟していたので。

ブリュッセルでのコンサート

最初のコンサートは、ブリュッセルでした。

死ぬほど忙しい1日で、主催者の友人を尋ねる、30分ブリュッセル観光、イタリアンレストランでランチミーティング、在ベルギーインド大使との会合、コンサートという、5分単位のスケジュールをこなしました。

タブラのサンディープさんとはコンサート直前に合流しました。

ビベックとサンディープさんは7年ぶりの共演、私はアムステルダムで1度顔を合わせたことがありますが、お互い演奏を聞くのは初めてでした。

会場はとても天井の高い吹き抜けになっていました。サウンドエンジニアに来てもらっていたのですが、会場のオーナーがここではアコースティックの音が良いと良いつづけて一悶着あり、結局マイク無しのアコースティックライヴに。

提供する側としては、バランスの取れた良い音響で提供したいのですが、ここでは自然の音を求められて、結果的には観客が満足して頂いたので成功かな。

美術関係者や大使館関係者の方々、インド音楽未経験の方が多い集まりでしたが、とても盛り上がりました。

この日ばかりは、シャンパンロゼが振る舞われて、お寺の精進料理生活からひと時の開放。だけど、お食事はビーガン(動物性食品を一切使わない食事)でした。

下手したらインド以上に多様な食文化のあるヨーロッパならではの気遣いだなと思いました。

ラダデーシュでの演奏

ラダデーシュにはギャラリーが有るのですが、そこで週末の2日間インド人アーティストの展覧会が行われていました。

私たちのコンサートは2部に分かれていて、昼にVIP向け、夕方に一般観衆向けの公演がありました。

15分くらいでサウンドチェックを終わらせたかったのですが、エンジニアさんが音楽の専門でなかった上に、インド音楽の特殊なマイクの並べ方が分かるわけもなく。思ったよりも時間がかかって、スタートから3時間近くかけて全てのセットをしてくれました。私もだいぶ口うるさくて反省してしまいましたが、最終的に要求を全部聞いていただいて大感謝です。

VIP向けの公演では、すでに大使館でお会いした方々もいて、楽しく演奏。

初日の演奏ですでにお互いの演奏が分かっていたので気が楽。 ここでも大盛況で終わりました。

予定は未定。何一つない予告通りにならないインド音楽

夕方の公演では雨のラーガを演奏したいと初日からずっとリクエストしていて練習していたのですが、昼休憩後に突然変更になり(空が晴れ渡っていたから)、軽くエクササイズをしていたら、公演直前にノルウェーから駆けつけてくれたグルバイが別のラーガをリクエストしたので、結局舞台上で突然変更。

何の曲をやるかは、実際に演奏が始まらないと分からない。

インド音楽は、いつもこんな感じです。

演奏したのは聞いたのこともない曲でした。それでもパターンが分かっていたので良かったのですが、2曲目のドゥルット(早いテンポ)では、まさかのエクタール(12拍子)。

8割のステージではティンタール(16拍子)なので、まずタブラさんが驚き、タブラさんがサラッと理解してくれたので、ひとまず真似で演奏していた私も合流。

3人が揃うまでに15秒もたってないので、お客さんには分からない思いますが、舞台上では相当必死の掛け合いでした。

グルジの舞台では常に予告と違うので慣れていますが、兄弟子にやられると、相当反骨精神むき出しでした。

それがインド音楽の醍醐味ですね。

やっている本人達は予習の練習が出来ないので、日頃から相当練習を積まないといけなくて大変。臨機応変な対応が求められて気の抜けない舞台はいつも楽しいです。

兄弟子には、後から相当文句を言ったのですが、実はけっこう楽しんでいます。

ラダデーシュでの滞在は自然中の平和な時間

今回は最終日を覗き、ラダデーシュ(お寺)のゲストハウスに滞在しました。

ラダデーシュはブリュッセルから車で約1時間の道のりです。道中は風車と牧場しか見えないような、のどかな景色が続きます。

お寺では何頭かの牛を飼っていて、朝食は牧場を眺めながら頂けます。

毎日たくさんの人が犬の散歩に訪れ、トレーニングで1日に2度訪れるボーダーコリーと仲良くなりました。

ガーデンにはチェリーの木もあって、僧侶に許可を取って食べてみたのですが、酸っぱかったです。

朝食に頂いたチェリーがとても美味しかったのですが、果物は基本的にフランスやスペインなどからの輸入が多いそうです。

とは言え、bioマークの付いたオーガニックのフルーツは本当に美味しい。

ラダデーシュのレストランは8時までなのですが、働いているスタッフの気分で7時に閉まることもあるので、夕食はかなり早く終わらせないといけませんでした。

しかし、ベルギーの夏は日が長く、9時を過ぎてもまだ明るいです。

食後はゆっくり散歩を楽しんだりしました。

夜は、ラダデーシュに住んでいるグルジの生徒と練習をしたりしました。

海外に住んでいる生徒達はなかなかクラスを受けることが出来ないので、少しだけどビベックや私と練習出来れば良い刺激になったのではないかな。

音楽のある生活が好きだと、心から思ったベルギーツアーでした。

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