初心者のための分かりやすいヨガ哲学まとめ(ヨガ哲学とは?目的・宇宙観など)

yoga

これからヨガを深めたい人にとって、そもそも哲学とは何なのか分かりにくいですよね。今回は、ヨガの哲学が何を教えてくれるのかを、分かりやすくて優しい言葉でまとめてみました。

ヨガ哲学ってなにを学ぶのか分かりやすくまとめてみた

まずは、ヨガ哲学は何を学ぶものなのかをご説明します。

ヨガ哲学で抑えるポイント

・苦しみからの解放の方法

・本当の自分とは?

・ヨガの実践方法

・宇宙の仕組み

心の仕組み

すごくシンプルに表現すると、上記の内容のポイントがヨガ哲学で学ぶべき内容です。最終的には宇宙の仕組みを理解する必要がありますが、もっと身近な内容から勉強を始めることが出来ます。

ヨガを始める人は、現実に100%満足が出来ていないからヨガに出会っています。現在の悩み、不安、苦痛から解放されるために学ぶのが、ヨガの哲学です。

なぜヨガ哲学を勉強するべきなのか?

どうしてヨガを深めるために哲学が必要なのでしょうか?

ヨガのクラスに通って、練習を行うだけでは足りないのでしょうか?

ヨガの実践と哲学は対になっている

ヨガは、経験する哲学と呼ばれています。

他の哲学と違うのは、実践して体験しないと意味がないと考えられていることです。また、実践を行っていても、正しい目的を理解していないと意味が無いと言われます。

ヨガ(実践)とサーンキャ(知識)は常に一対になっています。

もしも、知識なしにヨガを行った場合、それはエクササイズやストレッチになってしまいます。

ヨガはエクササイズだけでなく、心のコントロールをする事に意味があります。形だけのアーサナには意味がありません。

ヨガの哲学を勉強することは、実戦の目的をはっきりさせることです。哲学を勉強することで、ヨガが身体的な健康法だけでなく、人生を変えるメソッドだと知ることができます。

知識のある実践とない実践

ヨガはクラスの中だけでなく、日常生活で実践することが大切です。

例えば、掃除などの良い行いをカルマヨガ(行動のヨガ)として行いますが、形だけの行為には意味がありません。

形だけの慈善活動

・義務感で行っている

・良いことをしているのだから、評価されたい、尊敬されたい、褒められたい

・愛しているから、同じだけ愛されたい

・尽くしているから、同じだけ尽くされたい

ヨガ的な行動

・行為は神への供え物だとだと思う。

・行為の結果には執着がない。受け入れる

・善行も自分のために行っていると思う

・相手に対しての期待を持たない

同じ行いをしていても、心の状態で幸せ度が全く違ってきます。人のために何かをしていたはずなのに、心が晴れない時、それは行っている内容に問題があるのではなくて心の状態が原因の場合が多いです。

学びと実践は常に一対で、両方備わって意味があります

心の状態のあるべき姿を学ぶのが、ヨガの哲学です。

ヨガとは?ヨガの目的は?

さて、ヨガとは何でしょうか?

ヨガスートラの編者であるパターンジャリによると、

ヨガとは、心の働きを制止することである。

ヨガスートラ1章2節

ヨガは、心をコントロールするためのテクニックです。

最終的には、瞑想によって心の働きを完全に制止させます。

心をコントロールすると苦しみが消える

ヨガでは、人生の苦しみは心のありようが原因だと考えられます。

通常は、何か悪いことがあると、自分の外側に原因を探します。

例)
給料が安すぎて思ったような生活ができなくてツライ。
⇒本当の原因は、なんでも購入できるお金がないと幸せになれないと思っている心。もしくは、給料が上がらないと思い込んでいる心。自分は別の仕事を探せないと思っている心。

心を変えると、人生が変わります。

そもためには、いったん思い込みであふれた心を手放す必要があります。

それを出来るのがヨガの哲学です。

私たちを苦しめる5つのクレーシャ(煩悩)の弱め方 | ヨガジェネレーション yogageneration
煩悩には108種類あると、仏教では伝えられています。一方、ヨガスートラでは5つの煩悩(クレーシャ)についてだけ書かれています。煩悩とは、人々を悩まし苦しめる心の作用のこと。この苦しみの根源ともいえる、煩悩を学び、そして取り除くことで心を軽くするため、どのような心の働きがクレーシャなのかみていきましょう。
ヨガの本質から遠ざかる“執着”の罠 | ヨガジェネレーション yogageneration
心が楽になると思って始めたヨガ。初めてヨガのクラスに出た時にはとても気持ちが良かったけれど、気付くとポーズへの執着などで余計に悩みが増えてしまった。そんな経験はないでしょうか。古典ヨガでは「ヨガへの執着は、ヨガの障害」だと考えられていました。古代の教典から学ぶことで、自分自身の執着を見直してみましょう。

本当の自分とは誰?それを知る。

ガナパティ

自分が誰だか考えたことある?

たぶん、君も勘違いしているよ。

ヨガは盛大な自分探しの旅です。それを教えてくれるのがヨガの哲学です。

「あなたは誰ですか?」

この質問になんと答えますか?

私は学校の先生です! 生徒たちもみんな、私のことを「先生」と呼びます。

ガナパティ

違うよ!それは、社会的身分の名前。それはあなたではなくて、社会があなたに与えている立場

私の名前は猫田タマです。

ガナパティ

それも違うでしょ!名前はあなたの両親が与えた、後づけの定義。

友達と職場の人は違う呼び方をするよね。でも、あなた自身は変わっている?

結婚したらあなたの苗字は変わるかも。

名前が変わったら、あなたは何か変わるの?

私はこの身体なんでしょ?

ガナパティ

残念!

その身体はあなたの言うことを聞いてくれている?

起きて仕事に行きたいのに返事痛を起こして起き上がれない。

速く走りたいのに、上手く足が動かない。

身体はあなたの大事な友ではあるけれど、あなた自身ではないよ。

もしも事故で片足を失ってしまったら?あなた自身は欠けてしまうの?違うよね。怪我をしても、あなた自身は変わらない。

分かった!心が私なのね!!

ガナパティ

おしい!!!

心もあなたの言うことを聞いてくれない。

頑張りたいのに、サボろうとしてしまう。冷静でいないといけないのに、怒りが収まらない。

それに、心はコロコロ変わってしまう。昨日決心したことは、明日には気が変わってしまうし、性格だって環境が変わると変わってしまう。

そんな存在はあなた自身なの?

では、いったい「私はだれ?」なのでしょうか?

ガナパティ

自分の内側に意識を向けてみて。

人はそれを霊魂と呼ぶかもしれない。内側には常に変わらないあなた自身がいて、それは純粋で穏やかな光だよ。

ヨガ哲学では、本当の自分のことをぷプルシャ(真我)と呼びます。

日本語では、「霊魂」のようなものです。

日常生活では感じにくいので、スピリチュアルなものに感じてしまうでしょう。

しかし、ヨガの実践を行うと必ず自身の内側にあるプルシャの存在を感じることができます。

プルシャ=本当の自分を知ることが出来ると、物質世界の事柄に一喜一憂しなくなります。そして、心が穏やかになります。ヨガは、自身を知るためのメソッドです。

ヨガの教える宇宙の仕組み

ヨガの宇宙観を理解するためには、クリシュナ神の教えであるバガヴァットギーターをお勧めします。

永井 由香 (ヨガジェネレーションのライター) | ヨガジェネレーション yogageneration

アートマンとブラフマン

ヨガの宇宙観を理解するためには、アートマンとブラフマンの2つを理解する必要があります。

自身の内側に宿るアートマンは万人がもつ真の自分

ギーターの教えでは、本当の自分をアートマン(個の根源)と呼びます。

アートマンは、生きとし生けるもの、全ての内側に宿っている本当の自分です。

アートマンに出会うためにはヨガの実践を行う必要があります。

宇宙はブラフマンによって作られた

この宇宙の全ては、ブラフマン(宇宙の根源)と呼びます。

インド思想では、ブラフマンは常に絶対的な存在です。この宇宙の全てを含み、始まりと終わりのない永遠の存在です。

アートマンとブラフマンは一体

個であるアートマンと宇宙全体を司るブラフマンは別々の存在だと考えられがちですが、実は、アートマンとブラフマンは一体であり、同等なものです。

別々に分かれていると思われているアートマンも、それぞれはブラフマンが見ている幻影です。

宇宙に存在するすべては一体である。

それがバガヴァットギーターに描かれる宇宙観です。

ヨガの実践方法

ヨガの教典、「ヨガスートラ」では、ヨガの実践は8つの段階で行われるとされています。

ヨガスートラの8支則

ヨガスートラの8つの段階は下記の内容です。

  1. ヤマ(制戒):社会的な禁止事項
  2. ニヤマ(内制):自分に対する制御
  3. アーサナ(座法):安定的な座り方
  4. プラーナーヤーマ(調気法):呼吸でプラーナ(気)をコントロール
  5. プラティヤーハーラ(制感 ): 外界から受ける感覚を断つ。
  6. ダーラナ(凝念):意識を一点に集中。
  7. ディヤーナ(静慮 ):ダーラナで一点だった対象を広げる。
  8. サマーディ(三昧): 心が停止した状態。

ヨガ教室では、突然アーサナ(ポーズ)の練習を行いますが、本当はヤマ・ニヤマと呼ばれる日常生活での心がけから始めるべきとされています。

ヤマ・ニヤマでは、ヨガの修業を行うために心の準備を行います。

例えば有名なアヒムサ(非暴力)は、他人や自分に対して暴力を行わない道徳だと考えられています。しかし、それも自分自身を磨くための修業の一環です。

ヨガは自身の心から不純物を取り除くためのメソッドです。非暴力を身に着けると、心の純粋さを上げることに繋がります。結果、本当の自分であるプルシャに近づくことが出来ます。

八支則(ヤマ・ニヤマ)を日常に取り入れるコツ!ヨガ哲学の実践 | ヨガジェネレーション yogageneration
日本でヨガを習慣的に練習する人はとても多いですが、ヨガスートラやバガヴァット・ギータなどで説かれたヨガの哲学を日常的に学んで実践出来ている人はとても少ないです。ヨガ哲学の中でも最も有名なのが「八支則」だと思いますが、今回は八支則を日常生活に取り入れる方法と、具体例としてアヒムサとは何かをご紹介します。

ヨガの哲学を学ぶことで、もっとヨガが楽しくなる

ヨガ哲学は、ただのお勉強ではありません。

ヨガの練習と、人生をもっと楽しむためのメソッドです。

急に経典を読もうとすると難しいかもしれませんが、当ブログやヨガジェネレーションでの連載では、少しづつヨガの哲学の知識をご紹介しています。

永井 由香 (ヨガジェネレーションのライター) | ヨガジェネレーション yogageneration

自身の気になる部分からでも良いので、少しずつ学ぶことで、もっと人生が豊かなものになります。

バーンスリー演奏【名曲】インド独立の父 マハトマ・ガンジーが愛した曲「Vaishnav Jan To Tene Kahiye Je」を演奏|講師:永井由香|教えて♪ヨガ哲学|

コメント

タイトルとURLをコピーしました