インドでは、コロナウイルスの爆発的な流行を懸念して、21日間(3週間)の外出禁止令が出ました。この日記を始めたただ今、外出禁止1日目。3月25日。
たぶん、これだけの歴史的なインド閉鎖は人生で1度の経験。
ゆるーく状況を書き留めておきたいと思います。
誰にも聞いてもらえないと鬱になりそうな引きこもり生活が始まりましたー。
きっかけは22日(日)の1日だけ全国民外出禁止():国民が感動した日
3月19日(金)の夜8時、ナレンドラ・モディ首相が全国民に向けたスピーチを行いました。
- まだ感染がギリギリ拡大していない今が、インドにとっての最も重要な時
- コロナ感染を食い止めるために必死で働いてくれている医療関係者、全ての人に感謝を捧げよう
- だから、22日の朝7時から夜21日までは、全国民外出しないように!
- 夕方5時から、5分間みんなで拍手しよう!そして、国民のためにコロナと戦ってくれている人に感謝しよう
この1日の外出禁止は Janta Curfew と呼ばれました。
13億人いる国民全員が外出禁止なんて聞いたことがありません。
しかし、この驚くべき政策は国民の心を強く掴みました。
私も2012年ころからインドにいますが、こんなに静かなインドは初めての経験です。
一日中、鳥のさえずりだけが響いていました。
そして午後5時、少し前からインド中の人が一斉に鐘を鳴らしました。
ある人は手を叩いて、ある人はフライパンを、ある人は鐘を、13億人の国民が同じ時間に一体感を味わう、特別な時間でした。
普段は人であふれて汚い水の海にも、たった1日の外出禁止でイルカが来たそうです。
そんな効果があるのなら、しばらくは毎週末の外出禁止でもいいのでは?と思いました。
やはり終わらなかったJanta Curfew
感動的なムードに包まれた22日の夜、各州の政府から外出禁止の延長命令が出ました。
私のいるムンバイもです。
ムンバイと他の都市を繋ぐ陸路は全て遮断、オフィスなどは閉鎖、最低限の食品と薬局以外は営業禁止。
といっても、ムンバイが封鎖されただけで、まだ大丈夫…と思っていました。
とはいえ、朝から晩まで仕事の時間以外はニュースが気になる。何が許されて、何が駄目なのか。全ての州ごとに規則が違い、次々と新しい規制が発表されるため、情報を調べることに疲労困憊。それでも、今月いっぱい、あと1週間我慢すれば生活に自由が戻ってくると思っていました。
アシュタンガ・ヨガの聖地マイソールでは、咳をしている人が野外を歩いていたら監獄に送られ、犯罪歴が残るというニュースも。
SNSには、外に出た人が警官から暴力を受けるニュースがあふれ、とても不安を仰がれました。
そして発表された21日間の外出禁止令…
24日、夜モディ首相がスピーチをするから全員見るように!
と、オンライン会議でマネージャーに言われました。
なんと、そこで発表されたのは13億人21日間の外出禁止。
あまりのことに、頭が付いていけませんでした。
外出禁止は25日の0時から。
そのため、8時から始まったモディ首相の首相のスピーチが終わる前に、慌てて野菜マーケットに行きました。
その時点ですでに、野菜の露店には長蛇の列でほぼ売り切れ、小さな商店の前には長蛇の列。
1時間並んで入っても、こんな小さな商店だと何も残っていなさそう…
体調も良くなかったので、こんな状態で長時間野外に立っていたら、調子を崩す方が怖い。そのため、泣く泣く収穫なしに帰りました。
部屋に帰ってからは、同僚たちに新しい政策について説明。
チャットでやり取りをしていたら遅くなってしまい、寝不足です。
大衆の心を掴んだ絶妙なスピーチ
21日の驚愕の外出禁止命令に、普段は混とんとしているインド国民が素直に従っているのはすごいことです。
モディ首相の演説の中で特に大衆の心を掴んだのは、 ラクシュマン・レカーです。
ラクシュマンは、インドの大叙事詩ラーマーヤナに出てくる、主人公ラーマの弟です。
ヒロインであるシータを守るために、家の周りに結界をひき、それをラクシュマン・レカーと呼びます。
ラクシュマンは政府、その結界からでなければコロナ(悪魔)から守ると。
【1日目】3月25日
夜中まで同僚とやり取りをしていて寝不足だとしても、朝は5時半から仕事…
顧客は私がインド在住だと知るわけでもないので、いつも通りの通常運転です。
仕事は相変わらず忙しいのですが、ちょっと緊張する仕事をしていると、息苦しさが。
気にしないようにしていても、かなりストレスが溜まってきています。
お昼休憩にはご飯を食べずにエクササイズをしました。
仕事が終わってから、近所の野菜マーケットへ。
野良猫たちに癒される。
(あまり猫を見ていると逮捕されるかもしれないので、ほどほどに…)
昨日は空っぽだったマーケットに沢山の野菜が積まれていました。
本当に嬉しい。
沢山の野菜を買ったことで、すっかり満足。
こうやって、少しづつできたことを見つけるしかないのかな。
夜には、グルジが私のことを心配したようで、側近の子から様子を伺う電話がありました。どうせ監禁されるなら、グルクルにいたかった。とは言えない。だけど、思い出してもらえたことは嬉しいです。
とても疲れたけれど、やっと軟禁生活1日目が終わりました。
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