罵り合いか助け合いか、視線を変えれば世界が変わる

india life

だいぶ遅くなってしまいましたが、5月のチャリティーイベントにご参加していただいた沢山の方に心から感謝しています。

直前の告知で、当初は100名定員を予定していましたが、アーカイブのリクエストを沢山いただき、結果226名様の方にご参加いただきました。本当にありがとうございました。

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私事ですが、ちょうど2カ月前くらい前から2週間ほどメンタル的に本当に辛い時期がありました。

インドに突然訪れた新型コロナウイルスの第2波で、身近な人が次々と感染して重症化したり、外出制限直前まで会っていた方数人が亡くなってしまいました。

そんな中、ネットの中でインドに向けての風評被害のコメントを沢山見てしまい、ニュースはあまり見ないように気を付けていたのですが、心が締め付けられるように苦しくなりました。

私自身は今回もインドに残る決断をしましたが、日本政府からは帰国を検討する要請のメールが連日届く中、会社命令で日本に帰国する人も沢山います。

今だから言えますが...

SNSやネットニュースのコメント欄には、インドからの帰国者に対する暴力的なコメントが沢山ありました。できるだけ見ないように気を付けていても、調べ物をしている時にうっかり見てしまうことがありました。

インドでの生活で連日恐怖を感じてメンタルが限界になってしまい帰国する人、インドに大切な人がいるのに会社命令で仕方なく帰国する人、不本意な帰国なのに、不安と戦いながら沢山の手続きをして帰っても歓迎されないのかと思うと本当に悲しかったです。

私自身も思うことが沢山ありましたが、とても緊張感のある状況で周りの人に話すのもはばかれ、頭の中にドロドロとした不快感がずっとあるような感覚でした。

新型コロナウイルスはだれのせいでもない、誰も悪くない。だけどみんなが抑制された人生を強いられてストレスが溜まっているので、どこかに吐き出したいのでしょう。

だけど、お互いに他人にあたっていたら、ますますギスギスした世界になってしまいますね。

優しさに視線を移したら、世界は優しかった

そんな中、本当にインドの人たちには沢山支えて頂きました。

ロックダウンが続き、ずっと人に会えなくて孤独に耐えられなくなってきた私に、「いつでもうちに引っ越してきてくれていいから!」と言ってくれたり、個人的な相談にのってくれる人が周りに沢山いました。

なんとなく、日本には歓迎されないのかな?と思っていた時期にはインドの人の温かさが本当にありがたかったです。

慈善活動で心が温かく

その頃、音楽関係の人たちの慈善活動に心が癒されました。

笛のクラスの連絡をしているグループチャットに1件のメッセージが届き、ムンバイで食べるものに困っている人がいたら食料を送るから連絡してと連絡先が書いてありました。

新型コロナウイルスのパンデミックが始まってから音楽・芸術分野の人たちは揃って職を失ってしまい、経済的にとても苦しんでいる話を頻繁に聞いています。草の根で音楽家に支援をしようと活動をしている人がいることに感動しました。

その後、知っているアーティストが同じような活動をしていることを聞き直接連絡をしました。インドの古典楽器サーランギの奏者であるSabir Khanさんも、1年以上収入がない状態ですが、自分よりも困窮している音楽家の家に、食料を届けていると聞きました。

Sabirさんはイスラム教徒です。

イスラム教では、ラマダンの断食の最終日のイードにご馳走を家族や親族・貧しい人たちと分け合って一緒に食べます。今は人と食事をすることができないので、代わりに食材を届けているそうです。

それを知ってすぐに連絡を取って、私もいくらか支援させていただくことにしました。

私は外に出ることができず、直接活動に参加することはできません。

お金の送金は一瞬ですが、自ら支援を届けることはとても大変。

私も参加したいというお願いを快く聞いて下さって、形にしてくださったSabirさんには本当に感謝しています。その後、受け取った人たちの声を電話で聞かせてくださいました。

「次のイードには一緒に食事しよう!」

と温かく言って下さり、孤独を感じるロックダウンの中でも、とても繋がりや温かさを感じました。

Tribute to Abbaji | Tabla Solo | Celebrating the Birth Centenary of Ustad Allarakha
Sabir Khanさんの参加されたコンサート

また、ヨガジェネレーションでもサントーシマ香先生のお声がけでチャリティーイベントを行いました。

ちょうど日本も感染者が増えて大変な時期でした。

インドの悲惨な状況を報道を見てすぐに「インドのために何かしたい」と考えてくださり、声をかけて頂いて2週間後にはチャリティーイベントが実現しました。

集まった資金は、インドの貧困層の方と、日本の医療従事者への支援をしている団体に送らせて頂きました。

今までにない大人数のイベントですが、とても短い準備と告知時間で運営をしてくださったヨガジェネレーションのスタッフの方には心から感謝しています。

寄付先を決めるのも、本当に一生懸命調べて話し合いをしました。

「困っている人のために」という言葉で始まりましたが、実際は私たち自身がこのイベントに励まされていた気がします。

支援と言うと大げさな大変なものに感じてしまいますが、それぞれができる範囲のことでいいのだとも感じました。

参加した誰もが、連日の暗いニュースや時代の変化で、何らかの不安やストレスを抱えています。それでも、どうやったら前向きになれるかなと一緒に向き合って、とても温かい気持ちになりました。

公には活動していなくても、インドの人たちは遠縁の親戚が困ってるなどと聞いたら、生活費の一部を送るなどしてお互いに助け合っていると耳にします。

世界は思っているよりも優しいのかもしれません。

人を苦しめるのも、救えるのも人の言葉

この1カ月くらいの期間で、とても感情が大きく動かされることが多かったです。

すごく悲しい気持ちになったり、すごく温かい気持ちになったり。

人の言葉は良くも悪くも大きな影響を与えるのだなと改めて実感しました。

インドもだいぶ感染者数が落ち着いてきて、ワクチンも2億人以上が摂取しました。

このままゆっくりでも状況が良い方向に行って欲しいと願うばかりです。

パンデミックが収まってきても、ここからが大切です。

特に私のいる音楽業界では、この1年半で失われたものは簡単には取り戻せません。

安泰という時代はまだ遠いかもしれませんが、今からの時代も私たちの言葉次第なのでは?と思っています。

人が人を思いやって生きられれば、どれだけ苦労をしても前を向けると信じています。

自分自身が凹まないように、温かい言葉を発することができるように気を付けようと思いました。

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