このブログでは主にヨガの哲学について書いていますが、
実はインド哲学の分類の中ではヨガ派も哲学各派の一派です。
主な哲学として6つの哲学があり、シャット・ダルシャンと呼ばれます。
どのような哲学があるのか、それぞれの学派について分かりやすく説明します。
【シャット・ダルシャン】6つのインド哲学を分かりやすく
シャト・ダルシャン(6派哲学)の6つを紹介
・ヴェーダンタ学派
・ミーマンサ学派
・ヨーガ学派
・サーンキャ学派
・ニヤーヤ学派
・ヴァイシェーシカ学派
この6つが、アースティカ(正統派)と呼ばれる有力な哲学の学派です。これらはすべて、ヴェーダの思想に根本を置いています。
ヴェーダの基本的なコンセプトを元にしている哲学をアースティカ(正統派)、ヴェーダのコンセプトを完全に否定している哲学をナースティカ(異端派)と呼びます。
通常インドの6派哲学という言葉を使う時は、アースティカ(正統派)を意味しています。
アースティカ(正統派)は2つづつに分けられます
アースティカ(正統派)はそれぞれの思想の内容から2つづつセットで分類されることが多いです。
ヴェーダンタ学派:はヴェーダの最後の教えという意味。ヴェーダとウパニシャッド(奥義書)を研究しています。
ミーマンサ学派:哲学的部分を担うヴェーダンタに対して、ヴェーダの祭祠部分を行うミーマンサ学派。絶対神以上に、祭祠が大切だと考えられています。神は、祭祀によって操れるという思想は、バラモン(祭祀を行う階級)は偉いという、階級差別意識を深めました。
ヨガ学派:ヨガの実践部分を担う学派。
サーンキャ学派:ヨガの論理部分を担う。
サーンキャ学派とヨーガ学派。サーンキャが哲学部分、ヨーガは実践部分と言われます。
この2つの学派の大きな違いは、神の存在を認めるかどうかです。二元論を採用したサーンキャでは唯一神の存在は認めませんが、ヨーガではイシュワラ(自在神)が出てきます。
最後はニヤーヤ学派とヴァイシェーシカ学派。この2つは、世界の仕組みに意識を向けています。
ニヤーヤ学派:間違った知識が苦しみを生むと信じられます。世界の仕組みを理解することが解脱に繋がると信じられる。
ヴァイシェーシカ学派:世の中、自然の論理を詳しく解説する学派です。
6派哲学から外れたナースティカ(異端派) とは?
さて、上記のシャト・ダルシャンに当てはまらない異端の哲学はナースティカと呼ばれています。
これらはヴェーダの思想、とくに輪廻の考えを否定する学派です。よって、非ヒンドゥー教の学派とも言えます。
有名どころでは、仏教、ジャイナ教、チャールヴァッカが挙げられます。
・チャールヴァッカ
無神論で、魂やアートマンの存在を完全に否定する。
業(カルマ)や輪廻も否定した現実主義。快楽至上主義。
・仏教
一世を風靡した仏教は、特に実践部分においてヨーガにとても大きな影響を甘えています。シャンカラの登場によりヴェーダンタに取り込まれ衰退していきます。
・ジャイナ教
徹底した苦行・禁欲主義を守る学派。ジャイナ教教の5つの守るべき戒律は、アシュタンガ・ヨーガにおけるヤマの5つの元になったと言われています。。
ナースティカもヨガに大きな影響を与えています。
根本部分ではヨガと相反する学派のナースティカですが、ヨガスートラを読むと、仏教やジャイナ教の大きな影響を受けていることが分かります。
8支則のサンヤマのプロセスは仏教を参考に論理構成されていると言われ、アヒムサを始めとしたヤマはジャイナ教の教義が組み込まれたものです。
正統派も異端派もお互いに大きな影響を与え合っています。
ヨガを理解するのに、他の思想を知ることはとても役に立ちます。
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