インドに来たことのない方には、
「インド人って毎日カレーばかり食べているの?」
と、お約束のように聞かれます。
今でこそ「インド料理の多様性は…」と、少し分かったように話せる私ですが、
実はインドに来る前は日本のカレーさえ苦手な、大のカレー嫌いでした。
インド料理ド素人でインドに来た私が、素人目線でインドの食事の多様性と、宗教ごとのルールのをご説明します。
インド人って、カレーばかり食べているの?
インド人、毎日インド料理ばかり食べてます!!!
世の中のインド料理愛好家の方々の強い反感を受けそうですが、
あえてもう一度言います
インド、インド料理しか食べられない!!
今でこそ、都会ムンバイで和食を自炊して、多国籍料理をデリバリーしている私ですが、
インド人と食事をする時は95%インド料理です。
インド人と旅をする時は、海外でもカレーを食べます。
始めてインドに来た時には、朝食のパン以外は全てカレー!と思っていました。
(旅行会社のパッケージツアーです)
もともとカレー嫌いの私はさすがに体調を崩して中華料理を頼んだのですが、
中華料理さえカレー味。(絶対に香辛料入っていた)
いまだに母と笑い話にするくらい、全てがカレーでした。
インド料理初心者から見ると全てカレーですが、本当は違います(インド目線)
インドで「インドにはカレーしかない」なんて言うと怒られてしまうので、ちゃんとインド料理について説明します。
日本人の私は、マサラ(香辛料)の効いた食べ物は全てカレーと思ってしまいますが、
インド人にとってマサラは、醤油と同じくらい必要な調味料。
「マサラを使った=カレー」なんて言うと怒られてしまします。
例えば和食の、肉じゃが(煮込み料理)、野菜炒め、みそ汁、漬物という献立は、とてもバランスの取れた食事ですね。
これをインド料理に置き換えると、下記のようになります。
- 煮込み料理(カレー味)
- 炒めた料理(カレー味)
- 豆のスープ(カレー味)
- 漬物(もちろんカレー味)
それぞれに調理法もスパイスも違う多種多様な料理があります。
ターリー(定食)を頼むと、「カレーが何種類も出てきた!」と思ってしまいますが、実際は炒め料理、煮込み料理、スープ、穀物、漬物と、とてもバランスの取れた食事が提供されます。
また、宗教やカーストによっても食べて良いものが決まっていたり、地域によっても郷土料理があります。
インドの食事にはルールがあります。宗教など気を付けて!
インド人と食事をする時にルールを知らないと、とても失礼になってしまいます。
例えば、「ヒンドゥー教は牛肉が禁止」「イスラム教は豚肉とアルコールが禁止」というのは義務教育で習ったと思います。実際には、同じヒンドゥー教でも、家計やカースト、地域によって食べていい食材が違います。
また、北インドと南インドでは調理方法も食材も大違いです。
「どれもカレー」とひとくくりにせず、多様性のある食事について紹介したいと思います。
北インドと南インドの食事の違い
インドは日本の約9倍と、とても広大な面積を誇る国です。
当然、地域ごとの風土料理のバラエティが豊富です。
大きく分けると、北インド料理と南インド料理で大きく違います。
北インドは濃厚な味わい
私たちがイメージするインドカレーは、北インドのカレーです。
日本のインドカレー屋さんのほとんどが、北インド風のカレーを提供しています。
濃厚なバターチキンやタンドリーチキンが有名です。
日本のカレーと違いルーに小麦粉は使いませんが、トマトや炒め玉ねぎをじっくり煮込んで、とろみのあるカレーが多いです。
日本から来る方には、やっぱりバターチキンが人気です。
有名店のカレーは種類が豊富なスパイスを使っていて濃厚です。
野菜のカレーも種類が豊富です。
私が好きな料理は、冬場のメイン料理パラークパニール(ほうれん草とチーズのカレー)。
ほうれん草は、煮込んだ後グレインダーにかけてペースト状にします。
外国人の多く訪れるレストランは、だいたい濃厚で重ためです。
私は、庶民の行くローカルレストランや、家庭で作る料理の方が軽めで好きです。
主食も、精製された小麦粉を使ったナンではなく、全粒粉を使ったチャパティが一般的です。
衛生面に不安があるので、安心できるレストランアは地元の人におすすめを聞いた方が良いでしょう。分からなければ、混んでいるお店に入るのが世界共通、美味しい料理を探すコツです。
南インド料理は、ココナッツの効いたサッパリ料理
日本でも最近は南インド料理のレストランが増えてきたようです。
南インド料理は、香辛料も少なくて、ココナッツオイルやココナッツミルクを使った南国らしい料理が多いです。料理もバナナの葉っぱに乗せるので雰囲気が素敵。
北インドでは南インドの軽食が人気
私は北インドにしか住んだことがないので南インド料理は詳しくありませんが、
デリーやムンバイでも、みんな南インド料理が大好きです。
デリーなどで南インド料理というと、だいたい軽食を意味します。
写真は人気の料理、ドーサです。
ドーサは、薄焼きのクレープのような食事で、サクサクな触感が美味しい。
写真のマサラドーサは、中にジャガイモの具が入っているので、お腹いっぱいになります。
ところで、南インドでは米が主食です。
そのまま炊いたライスを食べることも多いですが、写真のドーサは米粉と豆粉で作られています。
ぱっと見は小麦粉を使ったような料理も多いですが、ほとんどが米粉を原料としているので、日本人の私にはずっと消化が楽な気がします。
イスラム教の料理も美味しいです
多様性とは言っても…
本当に申し訳ないけれど、もともとカレーが苦手な私は、毎日カレーがちょっとツラい。
カレーに飽きた時、イスラム教のエリアに行くと、一味違った料理が楽しめます。
ほとんどの都市で、イスラム教徒はマスジット(モスク)を囲んだエリアに住んでいます。
イスラム教エリアに行くと、だいたいストリートにケバブ屋さんがいて、格安で(数十円)で美味しいケバブが食べられます。
私のお気に入りはアフガン料理。マサラの味のしない濃厚な煮込み料理はとっても美味しい!
デリーではイスラム教エリアに住んでいたので、週に何度も通っていました。
全部カレーに見えるけれど、多様性に目を向けるとどんどんカレーが好きになる
今回は、インド料理の苦手な私が、インド料理初心者向けに書きましが、
違いが分かってくると、本当にインド料理は奥が深いです。
細かく見ると、同じ北インドでも、地方によって全く料理が違います。
インドで食べるインド料理は、日本のインドカレー屋さんとは全く違います。
また、パッケージツアーでインドに来ると、どうしても定番の重たい料理しか食べられませんが(私はそれでカレーが苦手になりました)、本当は好みに合わせたカレーが絶対に見つかるはずです。
ぜひ、機会があればインド現地で、お気に入りのインド料理を探していただきたいです。
⇓軽食はこちらにまとめました。
絶対におススメのインド料理本2選
最近話題の本が本当におススメです!
ひとりぶんのスパイスカレーインドカレー子さんの著書ですが、誰でも簡単に1人前のインドカレーを作れるレシピ本。一人暮らしだと手を出しにくいインドカレーが、少ないスパイスで簡単に作れます。
これは本当に素晴らしい!!!
家庭で作れる南インドのカレーとスパイス料理南インド料理のレシピ本。サッパリの南料理は本当に日本人に合います。
ちょっと手に入らないマサラ(香辛料)があっても、美味しく出来上がりますので、ぜひ挑戦して下さい。
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