ヨガをもっと深く学びたいと思っているけれど
何から読んだら分からないという方は本当に多いと思います。
今日は、これだけは読んで欲しいという教典をご紹介します。
ここで紹介する最もポピュラーな古典は「バガヴァッド・ギーター」「ヨガスートラ」「ハタヨガ・プラディーピカ」です。
古典はちょっと読みにくい…、と壁が高く感じてしまうかもしれませんが、
これが原点!として挑戦して頂きたいです。最初はみんな分かりませんが、ちょっとずつ分かるようになります。
このブログでも、出来るだけ古典経典に書かれた文章を紹介するので、
こういうことが書いてあるんだなーと思って頂けると嬉しいです。
【バガヴァッド・ギーター】神の歌はクリシュナ神の教え
ヨガの生まれた国インドの思想が理解したいのならば、これ一択という経典です。
バガヴァットは「神」、ギーターは「歌」という意味です。
ヨガの神様とも呼ばれているクリシュナが、私たちにこの世の仕組みと苦しみから解放される方法を教えてくれます。
弟子のアルジュナとの会話形式になっています。
インドでは、ヨガの教典でもあり、ヒンドゥー教の最もポピュラーな教典でもあります。
バガヴァッド・ギーターの教えの特色
ヨガにも様々なヨガがあり、瞑想することだけがヨガではありません。
ある人は学問で、ある人は行為で、ある人は神への信愛によってヨガの達成が可能です。
万人にあった、あらゆる道を説いてくれています。
おススメの日本語訳
私は、ずっとこれのみ!という上村勝彦先生の日本語訳です。
バガヴァッド・ギーターの日本語訳はいくつも出ていますが、上村先生の的確に、細部までこだわった訳は日々感動させられます。
本文の後に乗せられている訳注も本当に役に立ちますし、解説の部分ではバガヴァッド・ギーター全体の流れを短くまとめて下さっています。
最近は何冊かの英語訳を読み比べることが多いのですが、コンパクトな文庫本サイズなので日本語訳もいつも持ち歩いています。
バガヴァッド・ギーター (岩波文庫)とはいえ、古典経典をそのまま読むのはとにかく難しい…、
全然分からなくてページが進まない…。
という方もいますよね。(それが普通です!)
とにかく分かりやすさ重視ならば、「やさしく学ぶYOGA哲学- バガヴァッドギーター 」が読みやすいです。
やさしく学ぶYOGA哲学- バガヴァッドギーター [改訂版] (YOGA BOOKS)解説を加えながらなのでとても読みやすいです。
バガヴァッド・ギータがどのような教典なのか理解するのにはとてもいい本です。
ギーターの比較の記事も参照にしてください。
ギーターがどのような文献か、こちらで紹介しています。
【ヨガ・スートラ】古典ヨガの経典
私たちがヨガと聞いてイメージするのはヨガスートラに書かれたヨガです。
アーサナなどの身体的な鍛錬から入り、深い瞑想に向かいます。
ヨガがどういうシステムの修業なのかを知るには、必ず読んでおきたい最も大切な経典です。
ヨガスートラのヨガの特色
ヨガの8支則という言葉を聞いたことがありますか?
サマディ(三昧)に到達するためには8つのプロセスを積む必要があり、それを説明する経典がです。
ヨガスートラのヨガは、グル(師匠)からシーシャ(弟子)に直接される伝統があり、文字で残されたのはバガヴァッド・ギータよりもずっと後です。しかし、ヨガのシステムはずっと昔からあったと言われています。
おススメの日本語訳
ヨガスートラもいくつかの訳を読んだことがありますが、定番は佐保田 鶴治著の「ヨーガ根本教典」です。
佐保田 鶴治訳のヨガスートラは2冊あります。
ヨーガ根本教典にはヨガスートラとハタヨガ・プラディーピカが収録されています。「解説ヨーガ・スートラ」 はヨガスートラのみです。
実は、ヨーガ根本経典の方をインドで紛失して、先日買い直しました。Amazonで見たら中古しか売っていませんでした。ショック!
今も在庫が1点になっているので、ある時に迷わず購入してください!ヨガをやっている限り、持っていて絶対に後悔しません!!
ヨーガ根本教典 解説ヨーガ・スートラ佐保田先生の翻訳は、かなり仏教用語を使った日本語になっています。
しかし、現在のヨガで使っている用語の多くは佐保田先生の訳から引用されていることもあり、他の翻訳で分かりやすい日本語に訳されていると逆に使いにくい時もあります。
上記の2冊は、どちらでも良いと思いますが、「ヨーガ根本経典」の方がハタヨガ・プラディーピカが付いているのでお得です(笑)
読みやすさでは、「インテグラル・ヨーガ」が人気があります。
個人的な意見では、インテグラル・ヨーガは解説に著者スワミ・サッチダーナンダ 氏の思想が強く反映され過ぎている気がします。純粋にヨガスートラを理解するためには佐保田先生の訳を手元に置いてインテグラル・ヨーガを読むのがお勧めです。
インテグラル・ヨーガ (パタンジャリのヨーガ・スートラ)ヨガスートラについては、こちらでまとめています。
【ハタヨガ・プラディーピカ】ハタヨガを勉強する人のための実践書
ヨガスートラのヨガは「古典ヨガ」または「ラージャヨガ(王のヨガ)」と呼ばれています。
古典ヨガは、深い瞑想状態に入ることに重きを置いたヨガです。
そのため、ヨガスートラではアーサナやプラーナヤマについて詳しく書かれていません。
ラージャヨガに入るための準備段階という名目で、より身体的な鍛錬に目を向けたのがハタヨガです。クリヤー、アーサナ、プラーナヤマ、ムドラーなど、身体的な鍛錬の実践方法を詳しく説明します。
「古典的なヨガの実践方法を知りたい!」という方は必読です。
おススメの日本語訳
こちらも、私がずっとお世話になっているのは佐保田先生の「ヨーガ根本経典」です。
原本の忠実な訳が知りたい時にはこれ一択だと思っています。
ヨーガ根本教典ただ、ハタヨガ・プラディーピカに関しては、実践方法が具体的に書かれているので、原本だけではなかなか分かりにくい。
理想は先生から実践を学びながら経典を読み進めることですが、なかなかそんな環境にいれる方は少ないので、成瀬貴良著の「ハタ・ヨーガ・プラディーピカー(前編・後編)」が良いと思います。
ハタ・ヨーガ・プラディーピカー 前編 (YOGA BOOKS) ハタ・ヨーガ・プラディーピカー 後編 (YOGA BOOKS)ハタヨガの他の教典も日本語訳あります!
ハタヨガの経典で最も重要なものはハタヨガ・プラディーピカですが、インドでハタヨガを勉強するのにはゲーランダ・サンヒターとシバ・サンヒターを忘れることは出来ません。
どちらも、違う流派のハタヨガの聖者が書いているため、実践方法の名前などで違いがありますが、現代でも実践されているハタヨガの教科書です。
その2つの経典が1冊に収録されているお得な本が、「ヨーガ根本教典 (続)」です。
インドでハタヨガを勉強するときに、本当に役に立ちました。
ヨーガ根本教典 (続)こちらも、実践方法なので、図解がない本書だけでは難しいかもしれません。
海外だとイラスト付きの英語訳が多いのですが。
しかし、ヨガスートラの時代とはかなり変化した、ハタヨガの神秘的な側面を読むのには面白い一冊です。
絶版が怖いので、手に入る時にぜひ手に入れて下さいね
ヨガの古典で最重要書籍と思っていたヨーガ根本経典の新品が手に入らなかったショックで書きました。
ヨガが日本人でも完全に浸透した今でも、哲学書は一部の方しか読まない専門書ですよね。
今回ご紹介した書籍は、著者(翻訳者)が本当に深い知識で読み解いてくださった知識の宝物です。
読みにくい…と最初は誰もが思うかもしれませんが、手元に長く置いて、たまに開く程度でも、自身のヨガの成長と共に読めるようになってきます。
ヨガの知識を手元にお迎えしてください。
***現代ヨガに欠かせない本はこちら***
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