幸福とは何か？の定義
歴史的に幸福とはどのように認知されてきたのでしょうか？
中国では紀元前１～５世紀ごろに書かれた書物に幸福を表す単語 「fú (福)」が出てきます。「幸運、幸運、順風満帆、障害がない」という意味で使われてきました。
紀元前３世紀ごろのギリシャ哲学にはユーダイモニア（Eudaimonia)という言葉があり、「幸福」や「福祉」という意味があります。euは「良い」という意味があり、daimōnには「神霊」の意味があります。ユーダイモニアには「人間の繁栄・繁華」「祝福を受けた人々」という意味もあります。
ユーダイモニアが表す幸福には善良で高潔な人生を送ることが求められていました。つまり倫理的に優れて徳を積んだ善人こそが幸福なのだと考え、啓蒙思想を含んでいます。
2013年の調査では、世界中の80％の国で幸せとは何かという定義を持っていると分かりました。しかし、幸福を運や財運だと定義している場所では、幸福が人間の主体性や責任に重点を置いて定義されている場所に比べて、幸福度が低くなりました。幸福は多面的であり、住んでいる文化、人間関係、個人の行動など、多くの重要な影響を受けます。
「幸福をどう定義しますか？」と尋ねたら、何と答えますか?
幸福についての考え方は、私たちが住んでいる場所によって影響を受けることがわかりました。一部の文化では、幸福は社会の調和によって定義されます。 また、個人の業績によって定義される場合もあります。
幸せが何かを定義するときには、生まれた国、宗教、文化などに影響を受けます。
ダライ・ラマの説く幸福
ダライ・ラマ法王は、ハーバード大学のアーサー・ブルックス教授との対話で幸福について語りました。
世界中の70億人の人は、人間性を共有しているので、それぞれの人の存在に共感することができます。それによって、全ての人が幸福を共有できるのだと説きます。
幸福は私たちにとって生きる目的であり、それは70億人の人々との共有感だと話します。この地球に生存するすべての人は一緒に歩むことが必要です。
幸福は他者への愛から生まれるということです。
ダライ・ラマ法王は４つの方法を説きました。
①70億人の人がお互いに思いやり、お互いを高め合い、お互いの存在を認め合うこと。
②不幸は自己中心性（エゴ）のために私たち自身の心の中にやって来くると知ります。人が不幸を感じるのは、不自然な状態にあるからです。人にとって自己中心的なのは不自然なことです。
③知性を持つこと。私たちの心は、脳がフルに機能しているときに最も効果的に働くことができます。神聖な知性を高めることです。
④他者への愛によって幸福を得られるということを学ぶ機会が必要。一人ひとりに団結と一体性を教える教育システムが必要です。
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