私が受講しているヨガ哲学コースで、心にストレスを抱えている人、落ち込んでふさぎ込んでいる人のへのヨガ的なアプローチを話してくれました。
短い動画はYouTubeに上がっています。英語が分かる方はぜひ。
本当に苦しいのはこれからかも…
今年はずっと新型コロナウイルスの影響で苦しい状況が続きました。
人々は少しづつコロナウイルスとの共存に慣れてきて、自然に感染対策を行うようになり、少しづつ日常が戻ってきたように感じます。しかし、実際には、心に不安を抱えて苦しんでいる人が沢山います。
コロナの感染が始まった時には、「今自分にできることは何だろう!精一杯前を向こう!」と頑張っていた人も、ひと段落ついたところで、一気に今までのしわ寄せの疲労や不安に襲われることがあります。
状況は改善しているように見えても、実際は、今までのマイナスの積み重ねで足元はグラグラ...という人や企業も多いですね。
心のケアは、これからますます必要になってくるのではないでしょうか。
1日15分、心と向き合うヨガ的アプローチ
ヨガでは、今ある苦しみに上塗りでポジティブな思想のカバーを被せたり、無理やりネガティブを消し去ろうとしません。
ヨガ的なアプローチは「気づき」と「受け入れること」です。
- 自分の心を観察する時間を毎日作る
- 不安や恐怖が表れても消そうとしないで観察する
- 感情に入り込むのではなくて、あくまで客観的に観察する
- 「自分は不安に感じている」「苦しいと思っている」という事実も受け入れて否定しない
- 感情と敵対するのではなく、親しくなる
恐怖心は、「見たくない」という気持ちが働いて、逃げることで余計に大きくなります。
自分の抱いた感情はどのようなものであれ、全て受け入れることによって、たとえ状況が変わらなかったとしても心が軽くなるのを感じます。
1日に15分、自分の心と向き合うだけの時間を持ちましょう。
もちろん、忙しい人にとって、15分の時間を作ることさえ大変なことは分かっています。しかし、私たちにとって1番大切にしないといけないのは自分自身の心です。心が健康でないと、いつか爆発して、今頑張っている生活さえ困難になってしまいます。
ポジティブ・シンキングの罠
自分の考え方を変えたいときに、ポジティブに考える心のトレーニングもあります。
例えば...
この仕事明日までにやっておいてねー。
(え...もう定時だけど。でも、私に期待してくれているってことだよね!不景気で仕事を失っている人もいるのに、与えてもらえる私は感謝しないとね。)
分かりました!頑張ります。
という風に、どんな時でもポジティブに考えると、
- 目の前のことに感謝しよう!
- 私は頑張れる!
- これは成長できるチャンスだ!
- 体調が良くないのも、好転作用だから
と、本当はつらいときでも、見ないふりをしてしまいます。
「これは神から与えられた試練だから、乗り越えることで私は成長できる。」
というのも、典型的なポジティブ思想ですよね。
このポジティブ・シンキングは一見効果的で、とても耳障りがいいものです。考え方を変えるだけで、人生がポジティブな方向に向くなら、今すぐ実践してみたくなりますよね。
しかし、実際に挑戦してみるとどうなるか…。
ポジティブに考えたいのに、感情がコントロールできないよー!!!
もう駄目だ、気持ちがふさがって、何も考えたくない…。
ポジティブに考えるのは、躁鬱の躁状態を意識的に作り出している状態です。
躁状態を続けるとどうなるか...。
ある日、プツンとはじけて、一気に鬱状態が訪れます。その結果、以前よりも苦しい精神状態になってしまいます。
もちろん、自然に常にポジティブにいられる人も中にはいます。その人にとってはポジティブ・シンキングはナチュラルな状態かもしれません。周りにそのような人がいても、比べて「自分はまだまだだ...」と思う必要はありません。
全ての人には、その人にとって1番フラットな状態があります。自分にとってバランスがいい状態を探して、人と比較するのはやめましょう。
自分にとって快適な状態を見つけないと、心のバランスが崩れて、いつか壊れてしまいます。
良く生きるために、心を整える時間
私もですが、コロナ渦では本当にライフスタイルが変わりました。
私が健康でいられるのは、心と向き合う瞑想や音楽の時間があったからです。
大きな変化の中でも自分自身の心が健康であれば、自然と頑張れます。
1日15分で良いので、自分の心のための時間をもちましょう。瞑想が難しいのであれば、もっと気楽に行っても良いです。
例えば、寝る前にハーブティーを淹れて、それをゆっくり飲みながら、今日起きたことを思い出し、その時に自分がどのように感じたかを思い出します。私は、ルームスプレーやキャンドルでリラックスするときもあります。
悩みがあるのならば、その問題に対して、自分がどのように感じているのか、自分の心の声を聞いてあげましょう。
直視したことによって、不思議と不安は消えていきます。苦しい、悲しいという感情でさえ、不思議と受け入れてあげられるようになります。
どうか、心にフタをして、見て見ぬふりをしないように、心の声を聞いてあげて下さい。
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