1年に1度、11月上旬の満月から4日後の日はカルヴァチョートと呼ばれるお祭りです。
この日は、既婚女性が、夫の長寿を願って断食を行います。
何年もインドにいる私は、未婚なので毎年カルヴァチョートは不参加でした。
しかし、デリーのグルジのもとで住み込み弟子をしている時のお母さんが、自分は水も飲まずに家族に料理をしてくれる姿に心を動かされて、いつか体験をしたいと思っていました。
2週間ほど前、グルクルの女の子と話している時、彼女の家族の出身地である南マハラシュトラ州の地域では、未婚女性もカルヴァチョートの断食を行う人がいると聞いて、今まで見体験だったカルヴァチョートに参加することにしました。
1年に1度、11月上旬の満月から4日後の日はカルヴァチョートと呼ばれるお祭りです。
カルヴァチョートの2日前にメヘンディを描く
カルヴァチョートの2日前に、女性たちは手足にメヘンディを描きます。
外のサロンで書く場合もあれば、自宅に技術者を招いて書いてもらったり、家庭で自分たちで書く人もいます。
子どものいる家では、小さな女の子たちも手に思い思いの絵を描いたりして、とても楽しいです。
今回は、先生の奥さんに声をかけて頂いて、自宅に技術者を呼んで描いていただきました。同じマンション内の中のいい奥様方が集まって、食事を食べたり、ワインを飲みながら順番に絵を描いていただきました。
結局、滞在時間4時間。長い!ずっとおしゃべり。
こうやって、カルヴァチョートの日に、女性たちの絆が深まるということが分かりました。
当日は日の出から断食
カルヴァチョートの当日は、日の出から断食が始まります。
これは、夫が健康で長寿になるようにと祈るために行うと言われています。
カルヴァチョートの断食は厳しく、水も飲んではいけません。
私のいるムンバイでは夜も30度近く、そこそこ蒸し暑いので、当然喉が渇きます。
一方、北インドのデリーでは、換気で大気汚染と乾燥が酷く、気温が低くても水分が欲しくなります。
本来は朝4時ころに起きて朝食を頂いて、その後断食を始めます。
私は、「早朝から断食しなさい」の意味を勘違いしていて、早朝に起きたのに、歯磨きだけしてそのまま断食に入ってしまいました。
とは言え1日だけなら意外と大丈夫ですね!
通常通り仕事でしたが、特に問題はなかったです。
最初のプージャは夕刻から
午後4時半、断食中の女性が集まってプージャをします。
それぞれの女性がターリー(お皿)の上にスイーツやナッツなどのお供え物を置いて、歌を歌いながら隣の人に渡して1周させます。それを7周。
この儀式の意義については上手く聞き取れなかったのですが、本来はその家の義理のお母さんや義理姉妹が集まって行うことが多いようです。私の住むムンバイの高所得者層では核家族も多いので、こうやって近所の友達と集まって行うことが多いのかと思いました。
本来旦那の長寿を祈ってのお祭りですが、メヘンディの時から女性同士で長時間集まって、一緒にプージャをしたり、とても仲良くなれるお祭りだと感じました。
伝統的なインドの家庭は大家族で嫁ぎ先に沢山の義理姉妹がいることも多いので、このようなイベントは楽しいだろうなと思いました。
夕方のプージャのあと、1部の家庭ではレモン水だけ許されるようになります。
家庭によっては夜まで断食が義務なので、集まったメンバーの中にはレモン水も飲まない人もいれば、コーヒーを飲む人もいました。
ところで、参加させていただいた先生の家では、旦那様も断食をしていました。
最近のインド、特に都市部では、妻だけに断食をさせるのは気が引けるからと、一緒に断食をする男性も増えています。
素敵ですよね!
夕食は月が出てから
昨日の月が出る時間は8時半。
ですが、実際に月を目視で来たのは9時半頃でした。
夕方のプージャが終わって来客が帰った後、夕食の献立を決めるのに喧嘩をする仲良し夫婦を1時間以上観察し、その後、一人で笛の練習をする先生を永遠と見せて頂いて、本当に贅沢な時間。
予定の8時50分頃からは、バタバタと、何度もバルコニーに出ては月が出ていないか確認。自分が断食をしていない時には、何を大人がそんなに騒いでと思っていましたが、自分が当事者になると、大人げなく身に行ってしまうものですね。
その頃には食事の準備も終わっていていい香りがするので、余計にお腹が空いてきます。
結局月が見れたのは9時半ごろ。
赤く小さい月に向かって祈りを捧げる2組の夫婦を見て、美しいなと思いました。
その後の食事はお祭り用のご馳走。とってもリッチな献立。
一番奥のお客様席に座ってしまった私は、周りの人が沢山料理を取り分けて下さったので、気が付くとコース料理並みの料理が目の前に並びました。完食するのに必死。
料理は、断食中の奥様達が作ります。
インドの女性って本当に尊敬します。
(私なら断食中に料理は無理かも)
1日体験してみて、インドの文化にまた1歩深く触れることができた気がして嬉しかったです。
断食することで有名な祭日ですが、それ以上に人との絆が重要な日なのだと思います。
一人で断食するだけでは体験できないですね。
インドにいて、こんな体験ができて、すごくうれしかったです。
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