【スターウォーズ】ヨーダの名言をヨガ哲学で真剣に考える

ヨガコラム

「スターウォーズ:スカイウォーカーの夜明け」が公開されて約一週間。

ジェダイの教えは、以前からヨガの教えにる通じるものがとても多いと思います。

特にマスター・ヨーダは、名前がヨーガっぽいだけではなくて、マスターとしての名言を数多く残しています。

筆者の個人的な趣味での考察ですが、ヨガ哲学とヨーダの名言を真剣に比較してみたいと思います。

https://www.starwars.com/databank/yoda

1・考えるな。感じろ。

“Don’t think… feel…”

考えるな、感じろ。

実践者にとっては、とても大切なことをすごく短い言葉で表現した名言。

ヨガも、「体験する哲学」と呼ばれます。知識も大切とされる時もありますが、実践して経験しないと全く意味がないと説かれます。

何かを得るためには必ず2つのステップが大切になります。

  1. とにかく実践する。
  2. その時に感じた感覚に意識を向ける。

まずは実践をしないと全く意味がありません。その上で、感覚を観察する必要があります。

ヨガでは観察することがとても大切。真の自己であるプルシャ(真我)は傍観者と呼ばれます。想像する、考えることよりも、今その状態の真実を感じて、観察することが大切。

それは、マインドフル瞑想のテクニックにも通じて、自身の潜在的な能力を発揮するための近道です。

2・静けさの中に真実がある

You will know, when you are calm, at peace, passive.

分かるようになる。心を鎮め、平穏さの中にとどまれば。

まさに、ヨガの目的地であるサマディの境地ですね。

ヨガにとっての真実は、思考が働いている間には見えません。思考の働きを止めて、心を無の静寂の中に預けることによって、はじめて真実を理解することが出来ます。

こちらも、頭で無理に考えないことが、成功への道という意味で、1つ目の名言に通じます。

ヨガでも、成功を求めている間はサマディは訪れません。自分自身を完全に預けて、無の状態を作り出すことが成功への道です。

3・生と死は同等

Death is a natural part of life.

死は、生きることの一部である

もろに、ヨガの生死感と同等の考え方だなと思いました。

バガヴァットギーターの中でクリシュナは生死について説明しています。

彼は決して生まれることがなく、死ぬこともない。彼は生じたこともなく、また存在しなくなることもない。(バガヴァットギーター2章20節)」 

ギーターの生死感のポイントは2つです。

  1. 死は生を得た者にとって必然であるので、嘆くべきものではない。
  2. 肉体に死は訪れるが、プルシャ(真我・霊魂)に死はない。

スターウォーズの中でも、亡くなったジェダイがフォースとなって姿を現すことがあります。ヨガ思想では、肉体は魂にとって衣服のようなものであり、肉体が古くなると、洋服を着替えるように次の肉体に移ります。

死は絶対的な消滅では無いという世界観は、とても似ていると感じます。

4・「やるかやらないか」、決心すること

No! Try not. Do. Or do not. There is no try.

違う!「やってみる」ではない。やるかだ。「やってみる」はない。

ヨガの経典ではなくて、私がヨガのスワミジ(聖者)から聞いた言葉です。

決心したときにすでに50%は叶っている。 何かを本気で達成したい時には、願うだけではなくて決心しなくてはいけない

こちらは、以前書いた記事の中の言葉です。

人生を変えた!ヨガの出家僧による、心に響く5つの言葉

「とりあえず挑戦してみる」は決意としてはあまり強くありません。真剣に何かを成し遂げたいときには、自分自身に決意をしなくてはいけません。決意することで、すでに成功への道は始まっています。

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5・学んだことへの執着を手放す

You must unlearn what you have learned.

学んだことを忘れなさい。

何を言っているのだ!と思いますが、一度学んだことへの執着は、逆に成功への障害になってしまうことがあります。

ヨガであれば、一度サマディに到達した後、サマディへの執着によって解脱が遠ざかってしまいます。

たとえ、行為の霊性からの誘いを受けても、愛着と誇りを抱かないことが大切である。さもないと、再び不幸が訪れる。(ヨガスートラ3章51節)」

サンヤマ(ダーラナ・ディヤーナ・サマディの3つ)を身に着けると、様々な超能力が可能になりますが、そこに執着することで、悪い方向に墜ちてしまします。

まさに、ヨガのダークサイドに墜ちてしまうことです!

何かを得ても、すぐに手放す。そして、得られるものを受け取る。それが実践者の行いです。

6・怒りが破綻に繋がる

Fear is the path to the dark side. Fear leads to anger. Anger leads to hate. Hate leads to suffering.

恐れがダークサイトへの道。恐れが怒りを導き、怒りは憎しみを生む。憎しみは苦をもたらす。

似た言葉がバガヴァットギーターにあります。

人が感覚の対象を思うとき、対象に対する執着が生まれる。執着から欲望が生まれ、欲望から怒りが生まれる。

怒りから迷妄が生まれ、迷妄から記憶の混乱が生まれる。記憶の混乱から知性が失われ、知性の喪失から人は破綻する。(バガヴァットギーター2章62・63節)」

ギーターの方がさらに詳しく書かれていますが、仕組みはとても似ています。

ジェダイの騎士は原則として恋愛禁止です。それは、恋愛によって対象ができると、恐れが生まれやすいからです。

ギータでは、その対象への愛を「貪愛」と呼び、煩悩の一つとして考えます。

苦痛の原因は、間違った心の連鎖です。つまり、心をコントロールすることが、成功への一番の道です。

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7・生命は肉体ではない

Luminous beings are we, not this crude matter.
我々は光り輝く生命だ、肉体ではない。

自分は誰か?という問いに対して、ヨガではプルシャ(真我・霊魂)だと答えを出します。

肉体は、物質的なものにすぎず、本当の自分にとっては最も外的な要素です。

筋肉や骨格で作られた肉体の限界で自分自身を制限してはいけません。本当の自分は、もっと尊い無限の存在であることを知るべきです。

8・学ぶべきものはすでに身についている

No more training do you require. Already know you that which you need.
もう修行は必要ない。学ぶべきものはすでに身についている

ヨガは足し算の哲学ではなく、引き算の哲学です。

私たちの必要な能力は、全て潜在的に備わっているものです。

しかし、様々な思い込み(無知)によって、自身の本当の能力に気が付くことができません。

成功するためには、何かを足すことよりも、無用なものを手放すことが大切です。

余計な不純性(勘違い)を取り除くことによって、必要なものが内側から現れます。

まとめ

いかがでしょうか?

こじつけに聞こえる部分もあったでしょうか?

しかし、改めてヨーダのセリフを読み直すと、東洋の哲学に通じる部分が多くて驚かされます。

今回は、ヨガとヨーダの名言を比較してみました。

色々な見方をすると、名作がより深く楽しめるようになると思います。

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